|
|
決断できぬ首相 森の説得に屈し…党人事・大幅改造見送り
2009.7.2 00:44
6月30日夜、麻生太郎首相は首相官邸から近い東京・虎ノ門のホテルオークラの一室で森喜朗元首相と向き合っていた。
「何とか今の空気を変えたいのだが…」
首相は内閣改造と自民党役員人事になおこだわりをみせたが、森氏はにべもなかった。
「ここに来て党役員人事をやるべきじゃない。『政局より政策』と一生懸命やってきたメンバーなんだ。そこだけはぶれなかったんだからこのメンバーで国民に訴えるべきでしょ」
首相は菅義偉選対副委員長の幹事長起用などの案を挙げたが、森氏は頑として受け付けず、内閣改造も補充人事にとどめ、来週への先送りを迫った。最大派閥・町村派の後ろ盾を失えば、政権は窮地に陥る。首相は森氏の意向をのまざるを得なかった。補充人事を1日に決行したことだけがわずかな「抵抗」だった。
内閣改造・党役員人事はかねての懸案だったが、本格化したのは、安倍晋三元首相が首相公邸を訪ねた6月24日の夜からだった。安倍氏はこの直前、都内のホテルで菅氏、鈴木政二参院国対委員長とひそかに会談。「このままでは自民党は衆院選で大敗しかねない。逆風を吹き飛ばすには東京都議選前に人事刷新するしかない」と一致し、「ポスト麻生」の一人に数えられる舛添要一厚生労働相の幹事長起用を軸とした腹案をまとめた。
「抜擢(ばつてき)人事を決行すれば若手・中堅の不満は消え、党内の空気は一変する。ぜひ考えてください」
もともと首相は国会開会中の内閣改造を「奇策」として嫌がってきたが、安倍氏の熱の入った説得に次第に引き込まれていった。
だが、思わぬ落とし穴があった。安倍氏の公邸入りの様子を民放のカメラが撮影していたのだ。
翌25日、党内はハチの巣を突いたような騒ぎになった。「安倍が内閣改造をそそのかしたに違いない!」。安倍氏が早期解散論者だと知られていたこともあり、「7月2日に電撃解散」とのうわさが駆けめぐった。
この「7・2解散説」に選挙基盤が脆弱(ぜいじやく)な若手・中堅は震撼(しんかん)した。反麻生勢力のリーダーである中川秀直元幹事長が公然と首相退陣を説き、「総裁選前倒し」の動きが加速したのは、実は「解散阻止」が主たる目的だった。
派閥領袖らは別の動機で猛反発した。首相はこれまで政権樹立の立役者である安倍、菅両氏に、中川昭一前財務相、甘利明行革担当相を加えた「NASAの会」を重用してきた。昨秋に解散を思いとどまらせたのもこの4人組だった。
自分たちの頭越しに首相と話を進める4人組に対する領袖の嫉妬(しつと)は、菅氏が4月に世襲制限を進めようとしたことで反感に変わっていた。補充人事発表で、ベテラン議員が「混乱を避けられてよかった」とカメラの前で目を細める様子は、反乱の裏に領袖の「暗黙の了解」があったことを裏付けている。
一方、菅氏らと連携し、首相を支持してきた若手・中堅の失望感は大きい。4人組の一人は「首相の気迫を示すチャンスだった。反発を押し切れば、風向きは一気に変わったのに…」と肩を落とした。ある中堅は「残る首相の決断のチャンスは解散だけだが、もう無理かもしれないな…」と語った。
人事刷新の断念は、首相を「決断できない男」と印象づけただけではなく、古い派閥政治の復活を予感させた。「政権交代」の風は、民主党への期待感ではなく、そんな自民党への失望感が招いているのだ。(石橋文登)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090702/plc0907020046000-n2.htm
麻生総理は総裁の専任事項である人事権を森善朗元総裁に封じ込められてしまいましたが、これは麻生総理だけではなく、安倍、菅義偉、中川昭一、甘利明行の「NASAの会」が封じ込められたということです。言葉を変えれば保守派、または拉致問題解決前向き派(甘利氏のことはわかりません)が封じ込められたということです。自民党という寄せ集め所帯のこれが実態です。
安倍氏が金正日独裁体制の存続を認めた6者協議の合意事項に賛成し、かつては否定していた平壌宣言に基づいて日朝国交「正常化」交渉を行うと方針転換をしたのも、寄せ集めの政党であり、親北派の意向を無視できないと判断したからでしょう。そのため、拉致は金正日の預かり知らぬところで起きた犯罪ということにして、必要のない「再調査」を求めたのです。だがこの作戦はみごとに失敗。拉致被害者を何人か出しても、かえって反北朝鮮感情が強まり、国交「正常化」は出来ないと判断した北朝鮮に反故にされました。
それなのに麻生内閣が「再調査」にこだわっているのは、全ての拉致被害者を奪還する意思がないからです。
自民党は寄せ集め政党ですから、想像上の動物鵺(ヌエ)にたとえられたり、魑魅魍魎の世界にたとえられたりしていますが、親北・媚中勢力のほうが数が多いので、保守派なのに「村山談話」を踏襲したり、「河野談話」を肯定したりしています。今は忍耐のときだなどと、訳知り顔で言っている保守派の論客もいますが、妥協に妥協を重ねた結果が拉致問題の停滞なのです。
今の枠組みでは、自民党政権が続こうが、民主党政権になろうが、全ての拉致被害者奪還は不可能です。故人献金で鳩山がズッコケタ。自民党が逆転する可能性があるなどと喜んでいたのでは、ネットウヨが示している「自民か、民主か」という選択肢になり、“戦後レジームよ永遠なれ”になってしまい、ほとんどの拉致被害者は永遠に帰国できません。
自民党内の保守派の中心人物である安倍、中川昭一、麻生の諸氏は、残念ながら、今の枠組みの中でしか、拉致問題も含めて考えることの出来ない守旧派保守です。
政界は一寸先は闇です。人事権を奪われた麻生総理の命運は既に尽きているのに、鳩山民主党代表が故人献金でズッコケました。衆院解散まで情勢は二転三転するかもしれません。自民党が辛うじて勝てば、政界再編の芽がでてきます。
志ある自民と民主の保守派は、政界再編を見据えて行動すべき時です。
|
|