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【土・日曜日に書く】論説委員・石川水穂 “特定失踪者の声”に耳傾けよ
◆中井担当相と懇談
北朝鮮に拉致された可能性のある特定失踪(しっそう)者26人の家族32人が2日、中井洽(ひろし)国家公安委員長・拉致問題担当相と懇談した。中井氏は拉致認定の要件を見直し、政府認定の拉致被害者を増やしていくことに意欲を示した。
拉致認定には、(1)北朝鮮の国家意思が推認できる(2)行方不明者が北朝鮮にいる(3)本人の意思に反して連れ去られた−の3要件が必要とされる。特定失踪者は、この3要件を満たすことができない行方不明者である。拉致被害者の支援組織「救う会」の事務局長だった荒木和博氏が平成15年に「特定失踪者問題調査会」を発足させ、独自の調査を行ってきた。
調査会によると、これまでに約470人がリストアップされ、うち71人が「拉致濃厚」とされる。2日、中井氏と懇談した人たちの半数以上は、この「拉致濃厚」とされる特定失踪者の家族だ。
◆有力な脱北者の証言
東京都渋谷区笹塚の生島孝子さん=失踪当時(31)=は昭和47年11月1日、自宅を出たまま行方を絶った。姉の馨子さんは5年前、北朝鮮から脱出した韓国人経済学者が平壌で似た女性に会ったという話を聞いた。調査会代表の荒木氏と馨子さんが相次いでソウルで脱北者と会い、それを確かめた。その後、脱北者が来日した際、母親にも会ってもらい、「(平壌で会った女性と母親が)そっくり」との証言も得た。その母親も孝子さんとの再会を待ち切れず、平成17年2月、99歳で亡くなった。
姉の馨子さんは中井氏との懇談後の会見で、母親の遺影を抱きながら、「苦しんでいるのは政府認定の拉致被害者だけではないんです。マスコミのみなさんのご協力をお願いします」と訴えた。
山梨県甲府市の山本美保さん=同(20)=は昭和59年6月4日、「図書館に行く」と自宅を出たまま行方が分からなくなった。4日後、新潟県柏崎市の海岸で、美保さんのセカンドバッグが発見された。その後、別の脱北者から「1994(平成6)年ごろ、北朝鮮でそっくりの女性を見かけた」との証言があった。
しかし、山梨県警は平成16年3月、美保さん失踪から17日後(昭和59年6月21日)に山形県の海岸に打ち上げられた女性の遺体と美保さんの双子の妹、森本美砂さんのDNAが一致したとして、脱北者の証言を否定した。
森本美砂さんは会見で、「山形県で見つかった遺体は姉ではありません」と強調した。
ほかにも、「拉致濃厚」とされる特定失踪者の中には、脱北者が北朝鮮で「よく似た人を見た」と証言しているケースが多い。日本の捜査当局は韓国に協力を求め、これらの脱北者から改めて情報を集める必要があろう。
◆不審船の洗い直しも
昭和46年12月30日、鹿児島県曽於郡大崎町の園田一さん=同(53)、敏子さん=同(43)=夫妻が正月休みで帰郷する次女を迎えに行く途中で行方不明になったケースでは、その少し前、県内で奇妙な事件が起きている。
同年10月3日付の地元紙、南日本新聞と鹿児島新報によると、2日未明、揖宿郡頴娃(えい)町(現南九州市)海岸で、ゴムボート2隻に分乗した6人が上陸するのを釣り人が見つけた。指宿署員や消防団員が捜索したところ、2人が発見され、残る4人は小型船で逃げた。
2人は朝鮮総連の幹部で、トランジスタラジオ、九州の地図、ハングルで韓国の国内事情を書いたメモ帳のほか、新しい1万円札で71万円余りの現金を所持していたという。ゴムボートや逃げた4人のことについては「全然知らない」と繰り返した。指宿署はそれ以上の調べが困難として、2人を帰した。一方、逃げた小型船らしい漁船を第10管区海上保安本部の巡視船2隻が追跡したが、草垣島西方の海上で見失い、追跡を打ち切った−と地元紙は伝えている。
日本の海岸線の長さは約3万5000キロで、米国の海岸線の2倍近くになる。拉致されやすい地形だが、これを守るための法律は整備されていない。北朝鮮からの密入国者が出入国管理令違反や外国人登録法違反などの容疑で逮捕されることもあるが、ほとんどが微罪で、早期出国している。
2日の特定失踪者家族の会見では、スパイ防止法の制定を求める声も複数あった。
安藤隆春警察庁長官は先月16日、全国警察本部の警備・公安部門の担当部長会議で「拉致の可能性を排除できない告訴、告発などの事案についても、徹底した捜査を推進してほしい」と指示した。海上保安庁とも協力し、過去にさかのぼって不審船をめぐる事件を洗い直すことも必要だろう。
特定失踪者に対する鳩山内閣の新たな取り組みが期待される。(いしかわ みずほ)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091107/plc0911070312003-n1.htm
いい記事ですね。不審船の洗い直しなど鋭い指摘です。政府は拉致実行犯や工作員にも与えてしまうことになる「外国人参政権」よりも、スパイ活動防止法を提出すべきです。
特定失踪者のみなさん、ようやく希望が持てる状況になってきました。記事にも書かれていますが、荒木さんが調査会を立ち上げていなかったら、拉致事件は完全に幕が引かれています。また中井さんが、拉致問題担当相にならなかったら、山本美保さん事件の洗い直しもプログラムに載っていません。
それなのに、政府や自治体の一部には特定失踪者ご家族を排除しようとする動きがあります。総聯の魔手は政・財・官、マスコミ等あらゆるところに伸びており、金銭や「くのいち」で篭絡された者たちが、金正日独裁体制維持のため、犬馬の労をとっています。
国内外二つの敵と戦いぬきましょう。特定失踪者の存在を1人でも多くの人に語っていきましょう。
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