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WTO決裂 県内に危機感/「農家や地域が崩壊」

 投稿者:河合民子  投稿日:2008年 7月30日(水)10時45分34秒
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  2008年7月30日(水) 朝刊 6・7面

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200807301300_02.html

WTO決裂 県内に危機感/「農家や地域が崩壊」
 世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が大詰めを迎える中、農産品の関税率削減を例外的に緩和できる「重要品目」の割合を、全体数の6%とする事務局調停案が出ていることに、県内農業関係者が危機感を強めている。調停案では輸入粗糖が大幅関税削減の対象となり、沖縄の基幹作物のサトウキビ生産に影響を及ぼす懸念があるためだ。
 農業従事者は「現在の合意では、農家や地域が崩壊する」と危機感を募らせる。「調停案での合意なら決裂するべきだ」との声も強く、政府やジュネーブでの交渉団に“国内農業死守”を猛烈にアピールしている。

 日本は「重要品目」の割合を8%確保することを目標に交渉してきた。調停案で合意する機運が高まる中、目標達成は「厳しい状況にある」(関係者)という。

 調停案では、重要品目指定は原則4%で、関税削減率が低い場合、追加輸入することを条件に2%上乗せを認めている。

 農産物の関税品目は200%以上の関税が課せられる米、砂糖、乳製品などを含め1332品目。

 JA沖縄中央会によると、6%なら重要品目指定は約80品にとどまり、キビ農家に影響する砂糖が指定されない可能性が高く、「8%以上でなければ譲れない」と主張する。

 重要品目の指定ルールについても議論がある。既に低関税での輸入が一部認められている品目に限る方式と、各国が品目を自由選択できる方式が提案されているためだ。

 自由選択でないと、砂糖は指定から漏れるため、JAなどは(1)自由選択方式(2)十分な重要品目枠(8%)確保―の2段構えで政府へ働き掛けている。

 指定外になると、砂糖の関税率は現行305%から、82―103%に縮減される見通しで、キビ生産者らへの交付金などの原資が縮小する結果となり「キビ生産体制が崩れる」(中央会)恐れも浮上している。

 交渉で日本への逆風が吹き、合意期限の31日が迫る中、JAおきなわと県は29日に急きょ上京。交渉姿勢の堅持を政府に要請した。JA沖縄中央会の赤嶺勇会長はジュネーブの交渉現場におり、政府与党議員、農林水産省、農業団体でつくる「三者会談」で危機感を訴えてきた。各国の農業関係者が帰国する中、赤嶺会長は29日に最後の三者会談でも沖縄側の要求を主張。沖縄で待機するJA幹部に「きちっとした交渉をと訴え、与党も最後まで頑張ると言っている」と伝えてきた。

 先が見えない交渉に県内関係者は気をもんでいる。


     ◇     ◇     ◇
「重要品目にキビを」/知事、政府に要請


 【東京】仲井真弘多知事は二十九日、首相官邸で町村信孝官房長官と会い、世界貿易機関(WTO)の農業交渉について、例外的に輸入品への高関税を維持できる「重要品目」にサトウキビ(砂糖)を入れるよう要請した。町村長官は沖縄側の要望理解を示したが、今後の見通しについて言及はなかったという。

 知事によると、町村長官は「サトウキビは沖縄にとって非常に重要な農作物なので、引き続き作れるように頑張りたい」と述べたという。

 要請書では「重要品目への指定は地域経済を守るために譲れない生命線」と強調。交渉の結果で万一、県内農業に支障を来す事態になれば、必要な国庫財源を確保することも求めた。

 仲井真知事は要請後、記者団に「サトウキビは南北大東島、宮古島、石垣島など排他的経済水域を確保している地域の基幹産業であり、重要品目に入るか入らないか、県内産業に強烈な打撃を与える可能性がある」と指摘した。

 砂糖は現在、305%の高関税で保護されている。新たに導入される「重要品目」から外れると関税率が削減され、安くなった輸入品の影響が懸念されている。要請にはJA沖縄中央会の小那覇安優副会長や仲村正治衆院議員らが同行した。
 
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